スマホ会社の”バンド”って何?各キャリアの対応バンドを解説!【5G回線編】
スマホ会社の「対応バンド」を意識する人はあまり多くないかもしれませんが、5G通信が普及する中で使用するスマホ会社のバンドを把握しておくのはとても大切です。
「バンド」とは、スマホ会社が通信に使用する「周波数帯」のことなのですが、スマホ会社によって割り当てられているバンドが異なります。
今回はスマホ会社5G回線の対応バンドについて解説していきます。
↓4G回線の対応バンドについては別記事で解説しています。
スマホ会社の「バンド」とは?
「バンド」とは、「電波の周波数帯」のことで5G回線の場合は主に「GHz」という単位で表記します。
「周波数帯」と聞くとイメージしづらいかもしれませんが、簡単に「電波の種類」や「電波が通る道の種類」といった理解で構いません。
ドコモ、au、ソフトバンク、楽天モバイルといったスマホキャリア4社は、総務省から利用できるバンド(周波数帯)が割り当てられており、私たちにサービスを提供しています。
この割り当てられた電波の周波数帯のことを「対応バンド」と呼びます。
対応バンドの種類によって「高速で通信が可能」「長距離まで電波が届く」「障害物に強い」など特性も異なっています。
また、スマホ端末の機種によっても対応するバンドが異なっているため、スマホ端末とスマホキャリアの対応バンドを揃える必要があります。
各キャリアの5G対応バンド一覧
バンド | ドコモ | au | ソフトバンク | 楽天モバイル |
---|---|---|---|---|
n28(700MHz~3.5GHz) | ◯ | ◯ | ◯ | |
n77(3.8~3.9GHz) | ◯ | |||
n77(3.9~4.0GHz) | ◯ | |||
n77(4.0~4.1GHz) | ◯ | |||
n78(3.6~3.7GHz) ※n77の周波数帯と被る | ◯ | |||
n78(3.7~3.8GHz) ※n77の周波数帯と被る | ○ | |||
n79(4.5~4.6GHz) | ◯ | |||
n257(27.00GHz~27.40GHz) | ◯ | |||
n257(27.40GHz~27.80GHz) | ◯ | |||
n257(27.80GHz~28.20GHz) | ◯ | |||
n257(29.10GHz~29.50GHz) | ◯ |
n77とn78は一部周波数帯が被っています。ドコモ・auのn78はn77の帯域と被りますが、ソフトバンクと楽天モバイルのn77はn78の帯域と被りません。
- n77全体の周波数帯:3.3GHz~4.2GHz
- n78全体の周波数帯:3.3GHz~3.8GHz
では、スマホキャリア各社が対応している主なバンド(周波数帯)を紹介していきます。
各キャリアが5Gのどのバンドに対応しているのかチェックしてみてください。
日本の5Gはほかにもn1、n3のバンドもあります。
ドコモ
ドコモが対応している5G回線のバンドと各周波数帯ごとの特徴は下記の通りです。
バンド | 電波の特徴 |
---|---|
n28 | NR。4G LTE向け周波数を5Gに転用 |
n78 | Sub-6。国際的に主要な5G通信の周波数帯 |
n79 | Sub-6。ドコモのみが対応している周波数帯 |
n257 | ミリ波。5Gらしい高速通信を実現する周波数帯 |
ドコモの対応バンドは、主要な周波数帯の「n78」とドコモのみが対応している「n79」に加えて、ミリ波で5Gらしい高速・大容量通信が可能な「n257」に対応しています。
5G通信を広範に提供するための「Sub-6」とよりハイスペックな「ミリ波」という組み合わせになっているのが特徴です。
さらに、2022年春からは4G LTE向けの周波数を5Gサービスに転用した「NR化」を展開。
700MHz、3.4GHz、3.5GHzといった4G用の周波数帯を5G化して、人口カバー率の向上を図りました。(「n28」に対応)
また、ドコモではSub-6及びミリ波の5G専用周波数を「瞬速5G」、NR化された5G周波数帯を「4G周波数帯を利用した5G」として区別しています。
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au
auが対応している5G回線のバンドと各周波数帯ごとの特徴は下記の通りです。
バンド | 電波の特徴 |
---|---|
n28 | NR。4G LTE向け周波数を5Gに転用 |
n77 | Sub-6。国際的に主要な5G通信の周波数帯 |
n78 | Sub-6。国際的に主要な5G通信の周波数帯 |
n257 | ミリ波。5Gらしい高速通信を実現する周波数帯 |
auの対応バンドは主要な周波数帯の「n77,n78」に加えて、ミリ波の「n257」、NRの「n28」という組み合わせになっています。
キャリアの中で唯一「n77」と「n78」の両方に対応しているのが特徴と言えるでしょう。
さらに、2021年春から4G LTE用の周波数を5G通信向けに転用するNR化をスタートさせ、700MHzから3.5GHzの周波数で5G通信が利用できるようになりました。(「n28」に対応)
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ソフトバンク
ソフトバンクが対応している5G回線のバンドと各周波数帯ごとの特徴は下記の通りです。
バンド | 電波の特徴 |
---|---|
n28 | NR。4G LTE向け周波数を5Gに転用 |
n77 | Sub-6。国際的に主要な5G通信の周波数帯 |
n257 | ミリ波。5Gらしい高速通信を実現する周波数帯 |
ソフトバンクの対応バンドはSub-6「n77」とミリ波「n257」、NRの「n28」の3種類となっています。
n78、n79の周波数帯には対応していないので、キャリアの乗り換えの際には注意が必要です。
さらに、2021年2月から4G LTE用の周波数を5G向けに転用したNRをスタートさせました。
700MHz、1.7GHz、3.4GHzの周波数帯を転用して5Gサービスを提供しており、3大キャリアの中ではいち早くNR化による5Gの早期全国展開を進めてきました。(「n28」に対応)
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楽天モバイル
楽天モバイルが対応している5G回線のバンドと各周波数帯ごとの特徴は下記の通りです。
バンド | 電波の特徴 |
---|---|
n77 | Sub-6。国際的に主要な5G通信の周波数帯 |
n257 | ミリ波。5Gらしい高速通信を実現する周波数帯 |
楽天モバイルの対応バンドはソフトバンクと同様にSub-6「n77」とミリ波「n257」の2種類です。
こちらの場合は対応バンド以前に5Gエリアがまだまだ限定的なので、都心部以外で5Gが使える場所が少ない状態にあります。
また、楽天モバイルはNR化をまだスタートさせておらず、4G転用周波数を使わない5G通信になっているため、高品質で高速な通信が利用できると言えます。
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スマホ会社の5G回線バンドに関するポイントを解説
ここまで各キャリアの5G回線対応バンドについてみていきました。
スマホについてあまり詳しくないと「利用する上で関係あるの?」と疑問に思ってしまうかもしれません。
もちろん「どの電波(周波数帯)に対応しているか」を普段意識してスマホを使っている人は少ないでしょう。
しかし、スマホの機種変更をする時や他社に乗り換える際に重要となるポイントでもあるので、今回の内容をしっかりと把握しておいてください。
ここでは、スマホ会社の5G回線バンドに関するポイントを以下の4つに分けて解説します。
- Sub-6とミリ波の違い
- NR化とは?
- 使用するスマホの対応バンド(周波数)も要チェック
- 5G通信はエリア内でなければ使用できない
では、それぞれの内容について詳しくみていきましょう。
Sub-6とミリ波の違い
5G通信で使用する周波数帯には「Sub-6」と「ミリ波」の2種類があります。
先ほども少し触れましたが、簡単な分類としては「Sub-6=スタンダードな5G通信」「ミリ波:よりハイスペックな5G通信」といったイメージになります。
もう少し踏み込んで、各電波のメリット・デメリットについても見ていきましょう。
5Gバンドの種類 | メリット | デメリット |
---|---|---|
Sub-6 | ・障害物に強い ・提供範囲が広い ・対応機種が多い(安い) | ・ミリ波よりは低速 ・同時接続台数が少なめ |
ミリ波 | ・超高速通信 ・超低遅延 ・多数同時接続 | ・障害物や天候に弱い ・提供範囲が狭い ・対応機種が少ない(高額) |
このように「Sub-6」と「ミリ波」は表裏一体の関係にあると言えます。
各スマホキャリアはSub-6とミリ波の両方のバンドに対応していますが、お使いのスマホ機種によって使用できるバンドが異なります。
特に、5G対応機種でもリーズナブルな端末はミリ波非対応であることが多く、5GとはいってもSub-6しか使えないといったケースもあります。
その他にも、ミリ波は提供範囲が狭いため、使用環境を整えてもそもそも電波が届いていないといったケースも考えられるため、5G通信を利用するときにはさまざまなポイントを確認しなければなりません。
NR化とは?
Sub-6とミリ波に並んで5G通信の中に「NR」と呼ばれる電波の種類が登場しました。
「NR」とは、4G LTE用の周波数帯として使われている電波を5G用に転用して使用する技術を指します。
キャリアの中ではソフトバンク、auがいち早くNR化を進めており、ドコモも2022年春から遅れてNR化をスタートさせました。
5Gが商用化されてから、通信エリアの拡大が課題として挙げられていたのですが、すでに全国展開している4G LTE用の周波数帯を5G化することで通信エリアを効率的に拡大することができます。
新たに5G用の基地局を増設するのではなく、既存の基地局を整備するだけで対応できるため、より早く5G化が進められます。
これまで5Gを利用すると「通信が途切れやすい」という声が多くみられたのですが、これはSub-6やミリ波で使用する周波数帯の通信エリアが狭いことが原因でした。
通信エリアの広い4G LTEの周波数帯をNR化して5Gとして利用できれば、より広いエリアをカバーして通信エラーのトラブルも防止できると言われています。
ただし、4G通信用の周波数帯で5G通信を行っているため、通信速度としては4G通信と同等レベルになってしまうというデメリットがあります。
使用するスマホの対応バンド(周波数)も要チェック
5G通信を利用する上で重要になるのは「使用スマホの対応バンド」です。
「お使いのキャリア」と「使用するスマホ」の対応バンドが合致して初めて5G通信を使うことができます。
自分のスマホや購入予定のスマホのスペック表を確認して、どのバンドに対応しているのかチェックしてみてください。
例えば、ドコモで販売されている5G対応機種「AQUOS sense 6 SH-54B」の対応バンド(5G)は下記の通りです。
n28 | 非対応 |
n77 | 非対応 |
n78 | 対応 |
n79 | 対応 |
n257 | 非対応 |
AQUOS sense 6 SH-54Bは、Sub-6の「n78,n79」には対応していますが、ミリ波「n257」、NR「n28」には非対応です。
つまり、「5G通信には対応しているものの、よりハイスペックな「ミリ波」は使えない機種」と判断できます。
また、n77にも非対応なので、このスマホを使って楽天モバイルやソフトバンクの5G通信を使うことはできないことも分かります。
このように機種ごとの対応バンドをチェックするだけでも、さまざまなことが判明するので是非一度確認してみてください。
また、同じ機種でも、SIMフリー版と各キャリア版では対応バンドが一部異なる場合もある点にも注意しましょう。(例えば、ドコモ版・au版・SIMフリー版のAQUOS sense 6はそれぞれ対応バンドが少し異なっています。)
5G通信はエリア内でなければ使用できない
5G通信はキャリアとスマホの対応バンドだけでなく、提供エリア内にいることも重要です。
提供エリア内でなければ5G通信を使うことはできません。
各キャリアでは公式サイト上のエリアマップで「Sub-6」「ミリ波」「NR」の対応エリアを確認することができます。
自分の住んでいるエリアが5G対応かどうか、5Gに対応していればどの対応バンドが使えるのかをチェックしてみてください。
また、5G対応エリア内であっても「NR化」だと、スペック自体は4G LTE並なので通信速度はそれほど伸びない可能性があります。
まとめ
スマホ会社の5G回線対応バンドについて解説しました。
5G通信の場合は「Sub-6」「ミリ波」「NR」の違いを意識しつつ、使用するスマホの対応バンドや提供エリアについても意識してみてください。
機種変更や乗り換えの際に役立つ知識なので、今回の記事を参考にスマホ会社の対応バンドについて理解を深めてみましょう!
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この記事を書いた人
- INEST株式会社とINESTグループ企業のLinklet株式会社が共同運営しているスマホの先生の記事執筆者。
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