ドコモの「ウルトラシェアパック」徹底解説!特徴やメリット・デメリットは?

2019年3月25日ドコモ,料金プランウルトラデータパック,ウルトラシェアパック

「ウルトラシェアパック」「ウルトラデータパック」は2019年5月31日で新規受付が終了になりました。これに変わる新プランは「ギガホ」で2019年6月1日より開始しています。


総務省の「分離プラン義務化」の対応でドコモの新たな料金プランの対応も間近になり、現在の料金プランがどこまで利用できるかがかなり微妙なところではありますが、現在、料金プランが変わる前にドコモに乗り換えを検討している人に向け、ドコモが提供している大容量データプランの「ウルトラシェアパック」について解説していきたいと思います。

(「ウルトラデータパック」についても解説します。)

「ウルトラシェアパック」とはどのようなプランなのか?料金や特徴をはじめ、メリットやデメリットなどできるだけ詳しく解説していきます。

【2019年4月23日加筆】
ドコモの新プラン登場に伴い、「ウルトラシェアパック」、「ウルトラデータパック」の新規申し込み受付は2019年5月31日までとなりました。両プランを利用したい方はそれまでに申し込みをしましょう。

ウルトラシェアパックとは

ドコモのウルトラシェアパックとはデータ通信料にかかわるデータ通信プランの一種でデータを大量に利用するユーザーがいて、さらに家族などの複数台のスマホを1つのデータ容量で共有・シェアして利用したい人向けの完全定額のデータプランです。

ライトユーザー向けのデータ利用量に応じた段階性定額料金の「ベーシックシェアパック」とは逆の多くデータを使う人向けの料金プランで、auの「auフラットプラン」やソフトバンクの「ウルトラギガモンスター+(プラス)」といった大容量データを完全定額で使えるプランを複数台のデータ容量を一つにまとめてシェアしたような形の料金プランです。(ドコモで1台のみの利用で容量をシェアしない大容量データを完全定額で利用したい場合は「ウルトラデータパック」を利用しましょう。)

ほかの大手2社と比べ、ドコモのウルトラシェアパックの強みはデータシェアを前提としたプランとして用意されている点です。一人だとよほどのヘビーユーザーでもない限り使い切れない場合でも、家族とデータ容量をシェアして利用すれば、無駄が少なくお得に利用することができる点があります。(家族の誰かが大量にデータを使っても、ほかの家族がデータ利用を抑えることでカバーすることができます。)

詳しい解説の前に少しドコモの料金のしくみのおさらいをします。

スマホ料金のしくみ

ドコモの料金プランは、基本的に通話料とデータ通信料、ネットを利用する際にかかる必須のspモードの料金(月額300円)、そして、機種代を合わせた主にこの4つの要素で構成されています。

  1. 基本料金
    ※通話にかかる料金
  2. ウェブ使用料
    ※ネットにつなぐための手数料(ドコモの場合はspモード)
  3. データ通信料
    ※データの通信にかかる料金
  4. 端末本体代金
    ※スマホ・ケータイ機種本体代金(ドコモで端末購入した場合のみ)

今回の「ウルトラシェアパック」や「ウルトラデータパック」は3番目のデータ通信料に該当します。基本料金や端末代などは含まれていませんので、ウルトラシェアパック以外に通話プランの選択(および料金)が必要になる点には注意してください。

もちろん、割引のキャンペーンやオプションサービスに加入していたりすると別途料金の増減が発生します。

↓関連記事:携帯・スマホ料金のしくみ

データ通信料

続いて「ウルトラシェアパック」の月額料金について解説します。ドコモのウルトラシェアパックはデータ容量の上限が違う共有のデータ容量を指定した主回線となる3タイプのいずれかと、ウルトラシェアパックに便乗する子回線の1タイプ(シェアオプション)を組み合わせて使用します。

一人(1回線)だけで大容量のデータを使いたい場合は、ウルトラシェアパックではなくウルトラデータパックを選択してください。

ウルトラシェアパックの料金

まずは、主回線となる「ウルトラシェアパック」の3つのプランから解説します。
ドコモの長期利用やdポイントを大量獲得した場合に適用される「ずっとドコモ割プラス」の割引も適用(月額料金割引ではなく、割引金額の1.2倍のdポイントを付与する形でも可能)できます。

プラン名
(データ量)
月額料金パケットくりこしずっとドコモ割プラス
ウルトラシェアパック100
(100GB)
25,000円繰り越し可能
1st:割引なし
2nd:1,000円引き
3rd:1,200円引き
4th:1,800円引き
プラチナ:2,500円引き
ウルトラシェアパック50
(50GB)
16,000円1st:割引なし
2nd:800円引き
3rd:1,000円引き
4th:1,200円引き
プラチナ:1,800円引き
ウルトラシェアパック30
(30GB)
13,500円1st:割引なし
2nd:600円引き
3rd:800円引き
4th:1,000円引き
プラチナ:1,200円引き

ウルトラシェアパックはその月で使用できなかった余りのデータは翌月分にくりこして利用できますくりこしできるデータは1GB単位です。つまり、1GB未満を余らせた場合は翌月持ち越しはできない点は注意が必要です。※ライトユーザー向けのベーシックシェアパックはパケットくりこしはできません。

データ容量の上限を超してしまった場合は、速度制限がかかり、通信速度が送受信が最大128kbpsの速度に低下します。

ずっとドコモ割プラスのステージ条件

ずっとドコモ割プラスは5つのステップに分かれていて、どのステップが適用されるかは2つの条件のいずれかに当てはまる場合に適用されます。

dポイントを積極的に獲得しない人の場合は、ドコモの利用年数が長くなれば、徐々に割引金額が大きくなると考えておくと良いです。

「ずっとドコモ割プラス」ステップ別適用条件

ステージ条件1
※ドコモ回線継続利用期間
条件2
※6ヶ月間累計のdポイント獲得数
1st4年未満600pt未満
2nd4年以上600pt以上
3rd8年以上1,800pt以上
4th10年以上3,000pt以上
プラチナ15年以上10,000pt以上

※条件1と条件2で良い方の条件が適用されます。(条件1が3rd、条件2が1stに該当する場合は3rdが適用)

ドコモ公式:ずっとドコモ割プラス

ずっとドコモ割の注意点

「ずっとドコモ割プラス」は、2年定期契約あり(自動更新)の場合に利用できる割引のため、3年目以降いつでも解約できる「フリーコース」に変更してしまった場合には、これらの割引が利用できなくなる点には注意が必要です。

シェアオプションの料金

主回線のウルトラシェアパックのデータ容量を一緒に利用する子回線については、ウルトラシェアパックではなく、「シェアオプション」の500円がデータ通信料の月額料金となります。パケットくりこしやずっとドコモ割プラスは主回線の方に適用されるため、子回線側には割引などの適用はありません。

「シェアオプション」月額料金(税抜)

シェアオプション
(1子回線につき)
500円

ウルトラシェアパックを利用していても、子回線用の「シェアオプション」が必要になり、子回線のデータ通信料が無料になるわけではない点は注意しましょう。

シェアグループの上限回線数はファミリー割引の上限と同じ20回線までです。

また、主回線、子回線ともに、データ通信プラン以外に通話プランやウェブ使用料、端末代金(ドコモで購入した場合)が別途必要になってきます。

ウルトラシェアパック50

たとえば、4人家族(4回線)でウルトラシェアパック50を利用する場合には、

  • 主回線(代表回線)が1回線・・・ウルトラシェアパック50を選択(16,000円)
  • 子回線が3回線・・・シェアオプション(500円×3回線)

16,000円+(500円×3回線)17,500円(1人あたり平均4,375円計算)
※50GBを4人でシェアする(1人50GBずつでは無い)

といったデータ通信プランの選択になります。(通話プランなどはこれらとは別途選択する必要あり)

ウルトラデータパックの料金(1回線だけ利用する場合)

複数台数をシェアしてではなく、1人で1回線だけ利用する場合は、ウルトラシェアパックではなく、「ウルトラデータパック」を利用します。ウルトラデータパックはデータ容量の違う2つのプランから選択します。

ウルトラデータパックの場合も、パケットくりこしやずっとドコモ割プラスの割引適用が可能なデータ通信プランです。

主回線:ウルトラデータパックの料金(税抜)

プラン名
(データ量)
月額料金パケットくりこしずっとドコモ割プラス
ウルトラデータLLパック
(30GB)
8,000円繰り越し可能
1st:割引なし
2nd:200円引き
3rd:400円引き
4th:600円引き
プラチナ:800円引き
ウルトラデータLパック
(20GB)
6,000円1st:割引なし
2nd:100円引き
3rd:200円引き
4th:600円引き
プラチナ:800円引き

ウルトラデータパックもその月で使用できなかった余りのデータは翌月分にくりこして利用できますくりこしできるデータは1GB単位で、1GB未満を余らせた場合は翌月持ち越しはできない点はウルトラシェアパックと同様です。

※ライトユーザー向けのベーシックパックはパケットくりこしはできません。

データ容量の上限を超してしまった場合は、速度制限がかかり、通信速度が送受信が最大128kbpsの速度に低下します。

基本料金

ウルトラシェアパックやシェアオプションやウルトラデータパックはあくまでデータ通信料にかかるデータ通信プランのため、基本料金(通話に関する料金)については、それぞれプランを一つを選択する必要があります。(スマホの場合は4種類。ケータイの場合は3種類)

ドコモ スマートフォン向けの基本プラン

プラン名月額料金(税抜)
※2年契約あり
内容
カケホーダイプラン
(スマホ/タブ)
2,700円国内通話が24時間いつでも無料
カケホーダイライトプラン
(スマホ/タブ)
1,700円1回5分以内の国内通話が無料
シンプルプラン
(スマホ/タブ)
980円国内通話30秒につき20円の従量課金型
※ただし家族内通話は無料
データプラン
(スマホ/タブ)
1,700円通話なし。データ通信のみ利用のプラン

ドコモ ケータイ向けの基本プラン

プラン名月額料金(税抜)
※2年契約あり
内容
カケホーダイプラン
(ケータイ)
2,200円国内通話が24時間いつでも無料
カケホーダイライトプラン
(ケータイ)
1,200円1回5分以内の国内通話が無料
シンプルプラン
(ケータイ)
980円国内通話30秒につき20円の従量課金型
※ただし家族内通話は無料

ドコモ公式:基本プラン一覧

ウェブ使用料

ウェブ使用料はドコモのサービスdメニューやインターネットでサイトを閲覧、音楽やゲームといったコンテンツ、アプリをダウンロードする際に必要となる料金です。

データ通信料はデータ容量(タンク)を購入する料金にあたりますが、こちらのウェブ使用料はインターネットそのものを利用する権利をもらう料金にあたります。スマートフォンを利用する際には「spモード」と呼ばれる月額料金300円(税抜)の加入が必須となります。

ドコモ公式:spモード

テザリングは別物

少し勘違いしやすい要素として、複数台でデータをシェアするの概念に近いもので、パソコンなどでデータ通信を行う際に、スマホの回線を利用してインターネットに接続するといったテザリング機能を使った接続方法がありますが、ウルトラシェアパックとテザリングはまったく別物のサービスです。

ドコモのテザリング機能は本来は月額1,000円の料金がかかるみたいですが、ウルトラシェアパック、ウルトラデータパックに関してはキャンペーン期間中として、現時点では無料(申し込みも不要)になっています。

一人(1回線)でテザリング機能を使いたいという人はウルトラシェアパックではなく、ウルトラデータパックを選択しましょう。

月額料金例

4人家族(4回線)でウルトラシェアパック50を利用して、基本料金(通話プラン)はカケホーダイライトプラン(スマホ/タブ)を選択し、ずっとドコモ割プラスはステージ3rdだった場合の月額料金は以下のような感じになります。

ウルトラシェアパックの月額料金例(税抜)

基本料金
※2年契約あり
カケホホーダイライトプラン(スマホ/タブ)
1,700円×4回線
※1回の国内通話5分まで無料
ウェブ使用料spモード
300円×4回線
データ通信料
(主回線)
ウルトラシェアパック50(50GB)
16,000円×1回線
データ通信料
(子回線)
シェアオプション
500円×3回線 
ずっとドコモ割プラス3rdステージ
-1,000円×1回線
合計24,500円~
(一人平均:6,125円~)

ドコモで端末を購入した場合には、端末代の支払いが加わり、そのほかの割引やオプションサービスの加入がある場合には、それらの料金の増減が発生します。

メリット

ウルトラシェアパックおよびウルトラデータパックを選択するメリットとしては、以下のことがメリットとして挙げられます。

共通メリット
  • 大容量のデータを使う人がいる場合割安になる
  • 余ったデータは1GB単位ではあるが翌月分にもちこしができる
  • テザリング料金現時点では無料(キャンペーン期間中)
ウルトラシェアパックだけのメリット
  • 家族内でデータを分け合っていることもあり、データ消費の無駄を少なくしやすい

デメリット

ウルトラシェアパックおよびウルトラデータパックのデメリットは以下の点がデメリットとして挙げられます。

  • 家族の一人が過剰にデータを使い通信制限になった場合は家族全員に通信制限が影響する
  • ほとんどデータを使わないライトユーザーの場合は割高になる
    ※ライトユーザーはベーシックシェアパックやベーシックパックがおすすめ。

↓関連記事:ベーシックパック・ベーシックシェアパック徹底解説

新規申し込み受付は2019年5月31日まで

ドコモが2019年4月に新プラン「ギガホ」「ギガライト」の発表を行い、2019年6月から新プランを開始します。

それに伴い、従来のプランである「ウルトラシェアパック」「ウルトラデータパック」については新規申し込みの受付を2019年5月31日までと受付終了日が設定されてしまいました。

新プランではなく、ウルトラシェアパック・ウルトラデータパックを新たに利用したい方は受付終了日よりも前に申し込みをしましょう。

ウルトラデータパックのようなデータを多く使う人向けの新プランは「ギガホ」です。

※2019年4月23日加筆

まとめ

今回は、ドコモの「ウルトラシェアパック」や「ウルトラデータパック」の特徴と料金、メリット・デメリットを徹底解説しました。

「ウルトラシェアパック」と「ウルトラデータパック」はどちらも多くのデータ容量を使う人がいる場合に適した完全定額プランなのが特徴で、ウルトラシェアパックについては、auやソフトバンクにはない複数回線で共有のデータ容量を使うといった独自のプランになっています。「パケット繰り越し」や長期利用による「ずっとドコモ割プラス」も適用できます。

データを多く使う人がいる場合にはお得なプランですが、逆にデータをほとんど使用しないライトユーザーの方にとっては、料金が割高になり逆に損をする点には注意が必要です。

目安としては毎月のスマホのデータ容量は一人5GB以上使うようであれば十分に検討する価値があります

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この記事を書いた人

Ken
Kenスマホの先生2代目運営者
INEST株式会社とINESTグループ企業のLinklet株式会社が共同運営しているスマホの先生の二代目管理者。
MNPで何回か携帯会社を変更した経験を持ち(現在はワイモバイル利用者)、各携帯会社の料金プランや携帯・スマホ料金を少しでも抑えつつも快適なデータ通信ができるようにするための情報収集や情報発信をしています。
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