電話リレーサービス料とは?スマホ料金が増えた理由を解説!

2021年12月2日キャリア/携帯会社

電話リレーサービス料とは?スマホ料金が増えた理由を解説

2021年7月ごろから「スマホ料金が増えてる?」と感じた方も多いのではないでしょうか。
気になって内訳を確認してみると、見慣れない「電話リレーサービス料:1円」という記載があるはずです。

実はこの「電話リレーサービス」というのは、2021年から始まった新しい公的サービスで、聴覚や発話に困難のある方でも通話ができるようになっています

今回の記事では、そんな「電話リレーサービス」について詳しく解説していきます。

電話リレーサービスとは?

電話リレーサービスについて
出典:日本財団電話リレーサービス(https://nftrs.or.jp/about/)

「電話リレーサービス」は、聴覚や発話に困難のある人(聴覚障がい者等)が電話を円滑に利用できるようにするための公的サービスです。

通常の電話による通話が困難な聴覚障害者等が、通訳オペレーターを介すことで電話による会話を実現します。

電話リレーサービスは、公的インフラとして制度化されたものでもあり、電話提供事業者の負担金からなる交付金によって成り立っています。

この負担金をスマホを利用する私たちが「電話リレーサービス料」として支払っているという仕組みになっています。

電話リレーサービスの利用シーン

次に、電話リレーサービスがどのようなシーンで利用されるのかについてみていきましょう。

【電話リレーサービスの主な利用シーン】

  • 聴覚障害者等による通話を実現
  • 緊急通報受理機関への通報
  • 仕事先や学校への連絡・店舗の予約
  • 病院の予約・連絡

電話リレーサービスの存在によって聴覚障害者等のコミュニケーションが活性化され、日常生活での不便が大幅に解消されるでしょう。

では、それぞれの利用シーンについて詳しく解説していきます。

聴覚障害者等による通話を実現

電話リレーサービスは、通話が困難な聴覚障害者等がネット回線によって通訳オペレーターと繋がり、手話や文字チャットを通じて利用者のメッセージを通訳した上で電話相手に伝えるサービスです。

これまで発話が困難な方や相手の声が聞き取れない難聴の方など、通話による会話が困難な状態が続いていました。

そこで通話者との間に通訳オペレーターを設置し、会話を通訳することで通話に伴うハードルを取り除くことができます。

緊急通報受理機関への通報

電話リレーサービスを利用して警察や救急車といった緊急通報期間に連絡することも可能です。

急病で救急車を呼びたいときや、敷地内に人影があり通報したいときなど、聴覚障害者等の方でも電話リレーサービスを利用することで緊急時にも対応することができるようになります。

仕事先や学校への連絡・店舗の予約

電話リレーサービスは、聴覚障害者等の日常生活での通話を実現するだけでなく、仕事の相手先との連絡や店舗の予約、学校への連絡など、さまざまなシーンで利用することができます

日常生活において通話が必要なシーンは数多くありますが、電話リレーサービスの存在によって発話が困難な方や聴覚に障害を持つ方でも速やかに相手とコンタクトをとることができます。

病院の予約・連絡

急に体調が崩れて病院での診察を受けたいときも、電話リレーサービスを使った予約が可能になります。

病院側からも電話リレーサービスを通じて連絡することができるので、状況確認などもスムーズに行えるようになります。

電話リレーサービス料でスマホ料金が増えた?

電話リレーサービスは、公的インフラとして2021年7月1日から提供が開始されました。

運営費用は電話提供事業者の負担金からなる交付金で賄われる仕組みになっており、この負担金を「電話リレーサービス料」として私たちが負担する形になっています。

2021年度~2023年度の電話リレーサービス料(税込)

2021年4月~6月0円/月額
2021年7月~2021年12月1.1円/月額
2022年度6.6円/年額
2023年度1.1円/月額
※2024年2月・3月は0円

自分のスマホ料金の明細を確認してみると、2021年7月から「電話リレーサービス料:1円」という内訳が追加されていることが分かります。

ちなみに楽天モバイルをお使いの方で月額料金無料キャンペーンが適用中になっている方は、電話リレーサービス料についても請求はありません。

電話リレーサービスの利用方法

電話リレーサービスの具体的な利用方法について解説していきます。

サービスの利用に伴う料金や登録方法、詳しい使い方についてみていきましょう。

通話料

電話リレーサービスの利用には登録が必要通話料が以下のようになっています。

月額料金ありプラン

月額料金(1番号あたり)178.2円
固定電話着5.5円/分
携帯電話着33円/分
緊急通報/フリーダイヤル無料

月額料金なしプラン

固定電話着16.5円/分
携帯電話着44円/分
緊急通報/フリーダイヤル無料

きこえる方が電話リレーサービスの登録者に発信する場合は、特別な利用料は発生せず、通常の電話料金がかかります。

登録方法

電話リレーサービスを利用するには、アプリを通じて登録手続きをする必要があります

まず最初に下記のURLから「電話リレーサービス」のアプリをダウンロードしてください。

▼iOSの方は
App Storeからダウンロード

▼Androidの方は
Google Playで手に入れよう

アプリを起動して下記の操作をします。

  1. 「音声録音確認画面」または「通知送信許可画面」が表示されるので「許可」をタップする
  2. 「新規登録」をタップする
  3. 動作環境※を確認する
  4. 利用規約と重要事項説明を確認して同意する
  5. アプリの通知設定を許可する
  6. 利用者情報を入力する
  7. 本人確認書類をアップロードする
  8. 入力内容を確認する
  9. 支払方法を選択する
  10. 登録申請完了

申請が受理されると電話リレーサービスで利用する電話番号と初回パスワードが記載された書類が郵送されます。

書類に記載された内容を元にアプリからログインをして利用を開始してください。

※動作環境

端末OSブラウザ
iOSiOS13以上Safari
AndroidAndroid8.0以上Google Chrome最新版
パソコンWindows 10以上
Mac OS 11.0以上
Google Chrome最新版

きこえない人の利用方法

電話リレーサービスの具体的な利用方法を解説していきます。

状況別に具体的な操作方法をみていきましょう。

【一般通話で電話をかける方法】

  1. アプリを起動して「開始」をタップする
  2. 電話リレーサービス用の電話番号とパスワードを入力してログインする
  3. 相手の電話番号を入力して発信する
  4. 通訳方法(手話・文字)を選択する
  5. 通訳オペレーターを呼び出す
  6. 通訳オペレーターと接続後、相手先の電話番号を呼び出す
  7. 相手先が応答すると通話開始
  8. 通訳オペレーターを介して会話を行う

【緊急通報で電話をかける方法】

  1. アプリを起動して「開始」をタップする
  2. 電話リレーサービス用の電話番号とパスワードを入力してログインする
  3. 緊急通報ボタンをタップする
  4. 「110(事件・事故)」、「119(火事・救急)」、「118(海上保安本庁)」のいずれかを選択する
  5. 通訳オペレーターを呼び出す
  6. 通訳オペレーターと接続後、通報先の指令台を呼び出す
  7. 通報先が応答すると通話開始
  8. 通訳オペレーターを介して会話を行う

【電話うける方法】

  1. 着信を確認したらスライドして応答する
  2. 電話リレーサービスをタップして端末のロックを解除する
  3. 通訳オペレーターと接続し、相手先と通話を開始する
  4. 通訳オペレーターを介して会話を行う

通訳オペレーターとの接続はネット回線を利用して行うため、利用しているネット環境によっては通話が困難になる可能性があるので注意してください。

きこえる人の利用方法

次にきこえる人が電話リレーサービスを利用する際の使い方を解説していきます。

通話が困難な方に電話をする機会がある人はチェックしておきましょう。

【電話をうける方法】

  1. 通常と同じ着信がある
  2. 応答すると通訳オペレーターからの案内が行われる
  3. 通訳オペレーターを介して会話を行う

【電話をかける方法】

  1. 電話リレーサービス用の電話番号を入力して発信する
  2. 通訳オペレーターと接続し案内を受ける
  3. 通訳オペレーターは相手先を呼び出す
  4. 通訳オペレーターを介して会話を行う

通訳オペレーターとの接続や相手との呼び出し、通約作業など、通常の電話よりも時間がかかるので注意してください。

まとめ

電話リレーサービス料について解説しました。

2021年の夏頃から「スマホ料金が上がった」原因は、電話リレーサービス料の導入されたからです。

電話リレーサービスは、発話の困難な方や聴覚に障害のある方にとって重要となる公的インフラでもあり、円滑に電話を利用するためにも必要なものです。

身近に聴覚障害者等がいる方は電話リレーサービスを利用する機会もあるかと思いますので、制度の内容やサービスの利用方法をチェックしてみてください。

おすすめの関連記事

この記事を書いた人

スマホの先生編集部
INEST株式会社とINESTグループ企業のLinklet株式会社が共同運営しているスマホの先生の運用チームです。スマホやスマホプランやキャンペーンなどについて記事を執筆しています。