4Gスマホ向けプラン比較(楽天モバイル・UQモバイル・ワイモバイル編)
2020年4月8日から始まった楽天モバイルの「Rakuten UN-LIMIT(楽天アンリミット)」。月額2,980円(300万名限定で1年間無料)で楽天回線利用ならデータ無制限、ローミング回線(au回線)利用なら月5GBまで利用できるプランです。5GBを使い切った後の速度制限時の通信速度は最大1Mbpsとかなり高速です。
このRakuten UN-LIMITのプランに対し、(主要3キャリアは対抗せず…)同じ価格帯のプランを持つサブブランドのUQモバイル、ワイモバイルが対抗し、UQモバイルは2020年6月からスマホプランRを新たに投入し、ワイモバイルは2020年7月からスマホベーシックプランM/Rのプラン内容を改定して対抗しています。
今回は、楽天モバイル・ワイモバイル・UQモバイルの4Gスマホ向けプランについて比較してみたいと思います。
楽天モバイルのプランが「Rakuten UN-LIMIT 2.0」から「Rakuten UN-LIMIT V」に変わったので内容を更新。
対抗している内容
最初は、今回のRakuten UN-LIMITに対抗したUQモバイル・ワイモバイルのメインとなる対象プランを表にすると以下のような感じになっています。
※UQモバイル、ワイモバイルのプランは違う容量のプランもありますが、この表は対抗となっている対象プランの内容になっています。
●Rakuten UN-LIMIT V、スマホプランR、スマホベーシックプランの簡易プラン比較表
※2020年10月時点
Rakuten UN-LIMIT V (楽天モバイル) | スマホプランR (UQモバイル) | スマホベーシックプランM (ワイモバイル) | |
---|---|---|---|
月額料金 (税抜) | 2,980円 ※キャンペーンで300万名限定で1年間無料 | 2,980円 | 3,680円 ※半年間は新規割で700円引き |
基本データ容量 | ・楽天回線:無制限 ・au回線:月5GBまで | 月10GBまで | 月10GBまで |
速度制限時の通信速度 | 最大1Mbps | 最大1Mbps | |
標準の国内通話料金 | 30秒20円 ※Rakuten Link(専用アプリ)での通話なら24時間いつでも無料でかけ放題 | 30秒20円 | 1回10分以内の国内通話無料 ※標準の通話機能での通話でOK |
余ったデータの 翌月繰り越し | できない | できる | できない |
5G回線の利用 | できる | できない | できない |
補足事項 | 楽天回線エリアはまだ狭く、楽天回線が利用できない場合はローミング回線(au回線)を利用する | ・月額700円プラスすることで1回10分以内の国内通話無料の通話オプションを付けられる | – |
ワイモバイルのスマホベーシックプランが700円高いのは1回10分以内の国内通話がかけ放題が標準となっているため、その分月額料金が高くなっています。
※サブブランド系の携帯会社は家族間同士の通話に関しても無料にはならず通常料金なので、電話をある程度かける人は何かしらの通話オプションを付けるのが無難です。(ワイモバイルは標準で通話オプションが付いている感じになっています)
Rakuten UN-LIMIT(当時は2.0) が速度制限時の通信速度を最大1Mbpsを採用(一般的に用いられる最大128kbpsではなく)したことで、対抗するUQモバイル、ワイモバイルも対抗させる対象プランの速度制限時の通信速度を最大1Mbpsに緩和(ただし、一番容量の少なく、月額料金も安いプランSは合わせていない点は注意!)し、データ容量はまだまだ対象エリアが広い楽天回線以外の月5GBまでに対して2倍の容量の月10GBまで(無制限にはならないが全国一律)のプランを同価格帯で用意した感じにして、Rakuten UN-LIMITの強みを薄くしています。
続いて、それぞれのプランの内容について見ていきましょう。
Rakuten UN-LIMIT V(楽天モバイル)
まずは、楽天モバイルの「Rakuten UN-LIMIT V」です。
楽天モバイルの「Rakuten UN-LIMIT」はMNOとしての初のプランで2020年4月8日からサービスを開始したスマホプランですが、2020年9月末に4Gにも5Gにも対応したRakuten UN-LIMIT Vが登場し、現在新規受付をしているプランはこの1つのプランのみです。
3大キャリアの5Gは4Gのサービスとは別プランやオプション追加で利用できる形の別物として扱っていますが、楽天モバイルではその区別がありません。
このプランはサービス開始時点では東名阪の一部のエリアと範囲が狭いものの楽天モバイルの回線を利用する場合には容量無制限の完全使い放題のプランとなっています。
※ただし、楽天モバイルの回線が利用できない場合は、auのローミング回線を利用する形になりますが、この場合は月5GBまでの上限があり、上限を超えた場合には、最大1Mbpsまで速度制限されます。(海外のパートナー回線は月2GBまで)
また、専用アプリの「楽天Link」を使用した国内通話やSMSの場合にはかけ放題(使い放題)で月額料金内に含まれています。
※海外66の国・地域でのデータ利用(月2GBまで。速度制限時は最大128kbps)や海外から日本国内への通話も月額料金内に含まれています。
「Rakuten UN-LIMIT V」の料金(定価)は2,980円ですが、300万人限定で1年間基本料金が無料になるキャンペーンなどを開催しています。
※ただし、主回線となる1回線のみが対象なので、2回線目以降は1年間無料になりません。
また、このプランは2年契約などの契約期間縛りはなく解約などで発生する契約解除料もありません。
●Rakuten UN-LIMIT Vの定価(割引前)
※税抜
プラン基本料金 | 2,980円 |
---|
ただし、現時点では、すべての人が利用できるプランとは言い難く、以下の条件に当てはまる人にはお勧めはできないプランです。
- 楽天モバイルの回線エリア外(au回線のエリア)で利用する人
※データ無制限ではなく月5GBまでの利用になり、月額2,980円だと他社のMVNOやサブブランドのワイモバイルやUQモバイルを利用する選択肢も出てきます。 - サービス障害等は絶対に嫌という人
※楽天モバイルのMNOサービスは世界初の完全仮想化モバイルネットワークという新しい手法で構築されています。その影響もあるためか少し前の無料サポートプログラム期間中にも何度か障害が発生したこともあったため、障害発生は絶対に嫌という人はサービスが安定するまでは避けた方が良いかもしれません。
逆にこれらの条件に当てはまらない人にとっては非常に魅力的なプランであるとも言えます。
楽天モバイルだけの強み
楽天モバイルのRakuten UN-LIMIT Vにあり、UQモバイル、ワイモバイルのプランにはない強みとしては以下のものがあります。
- エリアは限定されるが、データ使い放題になる人がいる
楽天回線を利用できる場合に限られるので現時点では月5GBまでのau回線しか使えない人も多くいる - 楽天Linkアプリを使った国内通話やSMSが無料
- 一部の海外でも基本料金内で通話やデータ通信の利用可能
- 1回線目の契約については、大幅割引になるキャンペーンを展開
300万名限定の1年間基本料無料や事務手数料の楽天ポイント還元など、サービスが安定するまでのお試し利用に近いキャンペーンを行っています。 - 高スペックの機種も購入できる
ワイモバイルやUQモバイルで端末を購入する場合は安いが性能はいまいちな格安スマホ機種の取り扱いがほとんどで、高額・高性能な機種の購入は困難(外部からSIMフリー端末を購入するなど工夫が必要)ですが、楽天モバイルは高価なものから安価なものまで幅広い範囲で取り扱いがあります。 - SIMロックがかからない
主要キャリアで購入する端末にはSIMロックをかけられますが、楽天モバイルではSIMロックはかかりません。
楽天モバイルだけの弱み
強みがあれば、弱みもあります。楽天モバイルのRakuten UN-LIMIT V特有の弱みは以下の点があります。
- サービスの安定性には不安要素あり
まだサービスを開始してからの期間も短いこともあり、障害が生じる可能性がUQモバイルやワイモバイルと比べると高いです。また、利用できる回線帯も楽天回線の場合Band3のみと少なくプラチナバンド帯をもっていない点も弱みとしてあります。 - 家族割引が無い
ワイモバイルやUQモバイルでは2回線目以降に適用できる家族割引サービスにあたるものがなく、複数回線で利用するメリットが無い点は弱みです。 - 公式で認めている対応機種がまだ少ない
楽天モバイル公式では公式ショップで購入した対象機種のみが動作保証をしている機種で、それ以外の店で購入した機種は動作保証外になっていて、対象機種が非常に限られています。(厳密には、対象機種に含まれていない機種でもRakuten UN-LIMITが利用できる機種もありますが、設定がかなり面倒になる場合や一部利用できない機能が発生する可能性があります。)
楽天回線が利用できる人であれば、データ無制限かつ通話し放題でこの価格帯のプランは他の携帯会社のプランには無いので、かなり有力なプランになります。
↓Rakuten UN-LIMIT Vを利用したくなった人はこちら
スマホプラン(UQモバイル)
UQモバイルのスマホプラン自体は2019年10月から始まったプランですが、今回のRakuten UN-LIMITにより、2020年6月から「スマホプランR」を新たに投入し、元々あった「スマホプランS」との2つのプランを提供しています。の通信速度をRakuten UN-LIMITと同じ最大1Mbpsになっているプランです。
※2020年5月末で「スマホプランM」「スマホプランL」の新規申込受付は終了
「スマホプランS」「スマホプランR」の料金(定価)は1,980円/2,980円で、月に利用できるデータ容量は3GB/10GBまで。国内通話に関しては30秒につき20円の通話料金が発生するタイプです。2年契約の縛りはなく、いつ解約しても契約解除料は発生しません。
●スマホプランS・スマホプランRの定価(割引前)
※税抜
月額料金 | データを上限まで利用した場合の 速度制限時の通信速度 | |
---|---|---|
スマホプランS (3GB/月) | 1,980円 | 最大128kbps |
スマホプランR (10GB/月) | 2,980円 | 最大1Mbps |
スマホプランRの価格設定もRakuten UN-LIMITを意識していて、月額2,980円と同額です。ただし、通話は30秒につき20円の通話料が発生するタイプで、家族間の通話についても無料にはならないため、通話をある程度する人は何かしらの有料の通話オプションを利用しないと通話料負担が重くなる可能性があります。
UQモバイルだけの強み
UQモバイルのスマホプランにあり、楽天モバイル、ワイモバイルのプランにはない強みとしては以下のものがあります。
- 余ったデータは翌月までデータ繰り越しが可能
楽天モバイルやワイモバイルは余ったデータの繰り越しができませんが、UQモバイルは翌月までデータ繰り越しが可能(しかも、データの消化順は余ったデータ分から消化し、続いて月に利用できるデータ容量を消費する形で非常に良心的) - 専用アプリによる「節約モード」で高速データ通信のON/OFFが可能
※UQモバイルの「UQ mobile ポータルアプリ」にある機能で高速通信(ターボON)と低速通信(ターボOFF)の切り替えが可能で、ターボOFFの節約モード時は速度制限時の通信速度になるもののデータ消費カウントされないので、限られた基本データ容量の無駄な消費を防ぐことができます。
UQモバイルだけの弱み
強みがあれば、弱みもあります。UQモバイルのスマホプラン特有の弱みは以下の点があります。
- 通話オプションを付けない場合の通話には注意が必要
月額料金がワイモバイルと比べ安価ですが、これは国内通話のかけ放題が付いていないことが理由です。家族間通話も無料にならないので、ある程度通話をする人の場合は何かしらの通話オプションを付けなかった場合、かなりの通話料が別途発生することになるため、契約をする際には、追加で通話オプションを付けることもしっかり検討する必要があります。
楽天回線が利用できない人で、特に通話をあまりしない人であれば、UQモバイルのスマホプランはかなり有力なプランになります。
↓スマホプランを利用したくなった人はこちら
スマホベーシックプラン(ワイモバイル)
ワイモバイルのスマホベーシックプランはかなり以前からある4Gスマホ向けプランですが、2020年7月からスマホベーシックプランMとRについてはデータ通信に関して改定があり、速度制限時の通信速度が最大128kbpsから最大1Mbpsに増速します。また、スマホベーシックプランMに関しては月9GBから10GBに増量しています。
※ただし、一番容量の少ないスマホベーシックプランSは据え置きの最大128kbpsです(UQモバイルと扱いが似ています…)。
「スマホベーシックプランS/M/R」の料金(定価)は2,680円/3,680円/4,680円で、国内通話に関しては1回10分以内の国内通話がかけ放題のプランです。2年契約の縛りはなく、いつ解約しても契約解除料は発生しません。
●スマホベーシックプランS/M/Rの定価(割引前)
※税抜。
月額料金 | データを上限まで利用した場合の 速度制限時の通信速度 | |
---|---|---|
スマホベーシックプランS (3GB/月) | 2,680円 | 最大128kbps |
スマホベーシックプランM (10GB/月) | 3,680円 | 最大1Mbp |
スマホベーシックプランR (14GB/月) | 4,680円 |
UQモバイルのスマホプランと比べるとワイモバイルの方が基本料金が高めですが、これは1回10分以内の国内通話かけ放題が付いている分が影響しています。
ワイモバイルだけの強み
ワイモバイルのスマホベーシックプランにあり、楽天モバイル、UQモバイルのプランにはない強みとしては以下のものがあります。
- Yahoo!プレミアム付き
通常は月額462円(税抜)の会員サービスですが、スマホベーシックプランを利用している場合は、利用期間中は月額料金がかからずyahoo!プレミアムを利用することが可能です。 - 利用できる端末の種類は比較的多い
※ワイモバイルはソフトバンク系の回線帯ですが、少し特殊なauの回線帯と比べ、利用できる機種が多く、特に中華系の格安なSIMフリー端末だとしても利用できる機種が多めなので、端末持ち込みのSIMのみ契約にしても利用できる可能性は高めです。 - アウトレットセールやタイムセールで安く端末を購入できる機会が多い
取り扱いの機種は格安スマホが中心で訳あり品ですが、アウトレットセールやタイムセールが頻繁に行われているので、端末代金をかなり抑えて購入できる機会は多めです。
ワイモバイルだけの弱み
強みがあれば、弱みもあります。ワイモバイルのスマホベーシックプラン特有の弱みは以下の点があります。
- 通話しない人にとっては割高
1回10分以内の国内通話が標準となっている影響もあり、月額料金がその分高くなっています。ワイモバイルやUQモバイルは家族間通話もかけ放題にはならないため、ある程度通話をする人にとっては無駄に通話料が発生しない安全弁になるので有用ですが、ほとんど通話をしない人にとっては月額料金が高額になるので、人によって一長一短があります。
楽天回線が利用できない人で、通話をある程度する人で、端末持ち込みで利用したい人にとってワイモバイルのスマホベーシックプランはかなり有力なプランになります。
↓スマホベーシックプランを利用したくなった人はこちら
この記事を書いた人
- INEST株式会社とINESTグループ企業のLinklet株式会社が共同運営しているスマホの先生の二代目管理者。
MNPで何回か携帯会社を変更した経験を持ち(現在はワイモバイル利用者)、各携帯会社の料金プランや携帯・スマホ料金を少しでも抑えつつも快適なデータ通信ができるようにするための情報収集や情報発信をしています。
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