格安スマホとは何か?SIMカードとは?たった3分でわかる解説
「値段が高い」と国に目を付けられてしまい近年いろいろ動きのある携帯電話・スマホ業界。最近では値下げ圧力も強くなってきていますが、そこで登場してくるのは「格安スマホ」「格安SIM」「MVNO」などといった用語。
なんとなくスマホの料金が安くなりそうな雰囲気を出していそうなのはわかるけど、正体はよくわからない。どういうものなの?といった方にサクッとわかりやすく解説します。
格安スマホとは
ドコモ・au・ソフトバンクといった大手3大キャリアで出している高価格なスマホと比べて比較的安価で利用できるスマホを指しています。安価なスマホ(端末)と通信料金の安いSIMカードとのセットで「格安スマホ」と呼ぶことが一般的ですが、端末単体を「格安スマホ」と呼ぶ場合もあります。
端末は、国内メーカーだけでなく、海外メーカーのものなど様々で、機能をある程度絞ったコスパを高めることで低価格化を実現させているものが多いです。
ただ、機能をある程度絞ったといってもネットやLINEなどのSNS・ゲームアプリ・YouTubeなどの動画視聴といった大半のことは通常の高いスマホ端末と同様に使うことができます。カメラの性能や処理速度が最新型の高い端末と比べると性能が劣る点もたしかにありますが、まったく使いものにならないようなおもちゃ端末をつかまされているといったものでもありません。
SIMカードとは
「SIM(シム)」や「SIMカード(シムカード)」などと呼ばれるものですが、これはスマートフォンの中に挿入されている小さく薄いICカードで、正式名称は「Subscriber Identity Module (Card)」といい、加入者を特定するためのID番号が記録されたもの(カード) です。
SIMカードにはサイズが4種類あります。
- 標準SIM(miniSIM)
- microSIM(マイクロSIM)
- nano SIM(ナノSIM)
- eSIM(イーSIM)
※eSIMは埋め込み型・情報を書き換えて使用できる新しいタイプのSIMカード
どのSIMも機能は同じですが、端末内のSIMカードを入れる枠に埋め込み、はめこんで使用するものになるので、サイズに対応した端末でないと使えないので注意が必要です。
このSIMカードにはその端末を使用する人の情報(識別番号・メールアドレス・電話番号など)が保存されていて、端末に差し込むことによって利用者が特定され、その端末で通話ができるようになります。このカードがなければ、携帯会社の回線を使った通話や通信(3G・4G・LTEなど)は行うことができません。
※Wi-FiやBluetoothなどは携帯会社の回線ではないので、SIMカードが無くても使用できます。
それであれば、「いま使っているSIMカードを別のスマホに差し込むことができれば、その端末でも電話やネットができるのでは?」と思われた方がいらっしゃるかもしれません。これは半分正解で、半分不正解です。できる場合とできない場合があります。この明暗は端末に仕掛けられたとある設定に左右されます。
大手3大キャリアでスマホを購入した場合、その端末には他の携帯会社の回線を安易に利用できなくするために、契約している携帯会社の電話回線のSIMカードしか認識できないような処理を施されています。そのため、違う携帯会社で購入した端末にSIMカードを差し替えた場合でも、認識されず使えないといった結果になります。
これを「SIMロック」と言います。
3大キャリアで購入した端末にはこの「SIMロック」がかかっています。 例えばドコモで契約した端末に入っているSIMカードをソフトバンクで契約した端末に挿しても使えません。
※ただ、近年購入した端末であれば、ある一定の条件を満たすことで大手3大キャリアの端末でも「SIMロックの解除」ができます。
SIMロック解除は、購入端末のキャリアショップなどでおこなうことができます。
↓関連記事:SIMロックの解除方法SIMフリーとは
「SIMロック」端末に対し「SIMフリー」「SIMロックフリー」と呼ばれる端末があります。 これはSIMロックのかかっていない端末のことで、こちらの場合は、どの会社のSIMカードを挿して端末はSIMカードを認識することができます。
ただし、一点注意点があります。キャリアによって通話・通信で使用する周波数帯(バンド)が違うので、端末がキャリアの周波数帯の通信に対応していない機種の場合には、そもそも通信ができないので、SIMロック、SIMフリーにかかわらず使用することができません。
格安SIM、MVNOとは
「MVNO(エムブイエヌオー)」という言葉を耳にしたことはないでしょうか? これは「仮想移動体通信事業者(Mobile Virtual Network Operator)」の略で大手の通信キャリアの回線を借りて独自でサービスを行っている会社のことです。
ちなみに3大キャリア(ドコモ・au・ソフトバンク)は独自で回線を保有しているため、Virtualにあたる「仮想」ではないのでMNO(移動体通信事業者)と呼ばれMVNOではありません。
MVNOの業者はMNOとは異なり、独自の通信設備を持たないなど様々なコストを省いているため3大キャリアよりコストを抑えることができ、結果、大手キャリアにはできないような安い料金プランでサービスを提供することができるのが特徴としてあります。
MVNOの業者が安価でその会社が提供しているSIMカードのことを「格安SIM」と呼びます。 そしてSIM=契約者情報→契約プランが密接にからむ内容でもあるので、MVNO業者が提供している通信プラン(料金・サービスなど)のことも指すこともあります。
例えばサイトなどで見かける「格安SIMの比較」などの文言はSIMカードそのものを比較するわけではなく「通信プラン(料金・サービスなど)の比較」と同じ意味になります。
音声通話SIMとデータSIMの違い
格安SIMのサービスには大きく分けると以下の2種類の通信プランのタイプがあります。
- 音声通話SIM
- データSIM
次は、それぞれのタイプについて解説していきます。
音声通話SIM
通常の携帯と同じようにネット(通信)のほか、音声通話もできるSIMです。ほぼ普通の携帯と遜色なく利用できます。 現在キャリアの携帯を使用している方はMNPを活用することで、今までと同じ電話番号を引き続き使用することもできます。
3大キャリアでは国内通話24時間無料といった通話プランもありますが、MVNOが提供する通話プランは、月額利用料金を安く見せたい狙いもあるためか、30秒につき20円といった従量課金形式のプランが多い傾向にあります。
データSIM
インターネット・メールなどのデータ通信のみができるSIMです。通常の携帯のように音声通話ができません。 スカイプなどのようにインターネット回線を使用した形の通話は利用可能です。機能が制限されているぶん音声通話SIMに比べて安いのが特長です。
格安SIMのメリット・デメリット
格安SIMにした時のメリット・デメリットは以下のことが挙げられます。
格安SIMのメリット
- 月額料金が格段に安くなります
- 料金プランが3大キャリアと比べシンプルで分かりやすい
- 携帯会社によっては「2年縛り」がない(もしくは縛りの条件が緩い)場合もある
格安SIMのデメリット
- キャリアメールが利用できなくなる
- 通話定額でないプランが多いため、通話時間が長い、多いと料金が高くなってしまう場合がある
- 家族間での無料通話のサービスがない
- ショップ(実店舗)がない会社が多いため、直接店舗に相談やサポートを受けるといったことができない
- 3大キャリアと比べると通信速度が遅い傾向がある
- iPhoneの最新型モデルなど高性能な端末は購入できない
(高性能な端末を使いたい場合はSIMフリーのもので自分で用意する必要がある)
格安SIMを出しているMVNO事業者リスト
格安SIMを出しているMVNOの会社の一例をご紹介します。
(リンク先は各事業者の公式ページです)
●格安スマホ(MVNO)主要事業者一覧
店舗名 | 実店舗もしくは 取扱店舗の有無 (即日受渡) | 特徴 |
---|---|---|
mineo (マイネオ) | あり | ドコモ回線/au回線が選べる。 パケットギフト、パケットチップ、フリータンクなど独自のサービスが人気 |
BIGLOBE | あり | 割引サービスが魅力 |
TONEモバイル | あり (TSUTAYA店舗) | シンプルな料金プラン |
OCN モバイル ONE | あり | シェアNo.1 |
DMMモバイル | なし | 業界最安値を謳った他社に負けない安さがウリ |
IIJmio | あり | 総合満足度で最優秀賞を受賞。回線の品質も高い。 |
NifMo | あり | 「@nifty」でおなじみのニフティ株式会社が運営 各種割引サービスが豊富 |
楽天モバイル | あり | 月々の支払いに応じて楽天スーパーポイントが貯まる。10分以内の国内通話無料の「スーパー放題」も魅力 |
U-mobile | あり | 通信料の2段階定額や使い放題プランがある |
nuro mobile | あり | 0.2GBの「お試しプラン」がある |
イオンモバイル | あり | 通信容量ごとのプランの多さと最安クラスの料金 |
FREETEL (フリーテル) | あり | 段階従量制の「使っただけ安心プラン」が魅力 |
まとめ
「SIMフリーの比較的安価な端末」に「格安なSIM(料金・サービスなどの通信プラン)」を挿して使用すること、それが「格安スマホ」なのです。 いかがでしたでしょうか? 次回もまた、お楽しみに!
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↓MNPの手順と得する携帯ショップの選び方この記事を書いた人
- INEST株式会社とINESTグループ企業のLinklet株式会社が共同運営しているスマホの先生の二代目管理者。
MNPで何回か携帯会社を変更した経験を持ち(現在はワイモバイル利用者)、各携帯会社の料金プランや携帯・スマホ料金を少しでも抑えつつも快適なデータ通信ができるようにするための情報収集や情報発信をしています。
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