auのSIMロック解除手続きマニュアル。やり方や注意点など解説します!
キャリアで購入したスマホに他社のSIMカードを入れて使うには、SIMロックを解除する必要があるのが一般的です。
2019年10月の改正電気通信事業法の施行の絡みで、auの端末購入サポートプログラムの「アップグレードプログラムDX」が新たに始まりましたが、そこでauのSIMロック解除に関する問題・SIMロック解除条件の緩和などの動きがありました。
今回の記事ではSIMロックとは何かという基礎知識をご紹介するとともに、auのSIMロック解除の手順や注意点を解説したいと思います。
SIMロックの基礎知識
普段使っているスマホの中には、「SIMカード」と呼ばれるチップが入っています。
このチップが無いと、持っているスマホは単なる端末となり電話やネットを使用する事が出来ません。
(wi-fi環境下はネット回線に繋がっているので利用は出来ます。)
「SIMカード」がスマホ本体に設置されている事、それはつまり通信事業者(キャリアや格安スマホ)との契約がされているという事です。
契約しているキャリアやMVNO業者があるので、持っているスマホは問題なく電話が出来たり、不便なくネット利用が出来るのです。
そして「SIMロック」とは、その端末を購入したキャリア以外のSIMカードを受け付けなくする制限の事を指します。
「SIMロック」の制限をかける事で、端末を購入したキャリア以外では端末利用が出来なくなり、キャリア側はユーザーの他社への流出を抑止するのです。
SIMロックの制度は日本だけでなくフランスやイタリア、アメリカといった国々でも採用されているもので、日本だけが特別厳しいというわけではありません。
その一方で、韓国や香港のように端末にSIMロックかけることを禁止している国もあるのです。
2010年総務省の指導により「SIMロック解除義務化」
最近は「LINEモバイル」などのMVNO業者のTVのCMを目にする事が多くなりました。
これらの業者は自社で携帯電話を利用するのに必要な無線通信インフラを持たず、大手キャリア(auやドコモ、ソフトバンク)の通信インフラを借りていることで、固定費が軽減され、その分浮いたコストを安い料金プランに還元して利用者に提供するサービス形態をとっています。
ところが、リーズナブルな料金プランにいざ契約業者を変えようと思っても、「SIMロック」がそれを阻止する大きな壁になっていたのです。
またMNP(モバイル・ナンバー・ポータリティ)と呼ばれる、電話番号を変更する事なく、携帯電話会社を乗り換える制度が2006年頃から開始した事もあり、「SIMロック」によって発生する問題をより深刻化させていきました。
その事から2010年に総務省の指導が入り、SIMロックの解除の義務化が実施されたのです。
2015年時点でau、ドコモ、ソフトバンクの大手キャリア3社でSIMロック解除が義務付けられ、現在では2015年5月以降に販売された端末は、条件を満たせばSIMロック解除ができるようになっています。
最近ではSIMフリーの端末が市場に出回るようになり、端末だけであればAmazonをはじめとしたネット通販などでも個人で簡単に入手する事ができるなど、ひと昔に比べて携帯を選ぶ(携帯会社を選ぶ)という私たちの選択肢は驚くほど増えています。
SIMロック解除のメリット
キャリアで購入した端末も、SIMロックを解除するとSIMフリーの端末と同じようになります。
SIMフリーのメリットは何といっても、端末の通信規格や、対応する周波数帯が合えば世界中どの国のSIMカードでもスマホが使えるということです。
このメリットが生かせるのは、主に次の2つのケースです。
SIMロック解除のメリット1
まず、海外旅行でも使い慣れたスマホを使ってお得にデータ通信ができるようになります。
海外の現地で販売されている格安のプリペイドSIMカードを使うにはSIMフリーのスマホが必要です。
SIMロックが掛かった端末では現地のプリペイドSIMカードを使えませんが、SIMロック解除を行うとSIMフリー端末扱いになるので海外のプリペイドSIMカードも使えるようになります。
これは、キャリアで設定されている「国際ローミング」を使ったプランよりもコスト的にはかなりお得になりやすいです。
SIMロック解除のメリット2
とにかく早くauからソフトバンクやドコモに乗り換えて、最初はauで使っていた端末を持ち込んで利用し、新しい端末は後日必要になってから購入するといった使い方ができるようになるのもSIMロック解除の利点といえます。
また、これはauから格安スマホに乗り換える際でも同じです。
格安スマホにはドコモ系、au系、ソフトバンク系と回線の種類によって3タイプの事業者があります。
SIMロック解除を行っていない端末ですとドコモで購入した端末はドコモ系の格安スマホ、auで購入した端末はau系の格安スマホでないと使えません。
↓関連記事:SIMロックが掛かったままでも使える条件現在、格安スマホの事業者は大多数がドコモ系の回線です。
そのため、SIMロックを解除しないと選べる格安スマホの事業者がかなり限られてしまいます。
将来的に格安スマホへの乗り換えも視野に入れるのであれば、auで購入した端末をSIMロック解除する方法を知っておいて損はありません。
「au VoLTE」には注意が必要
au購入端末を他社に乗り換え(MNP)して利用するつもりでSIMロック解除したのに使えなかった。
こんな事がよくあるトラブルとしてあげられます。
それは「au VoLTE」対応端末が原因です。
「VoLTE」とは
まずはauに限らず、ドコモやソフトバンクでも使用されている「VoLTE」について説明しましょう。
「VoLTE」とは一言でいうと通信回線の一種です。
また、略語でもあり、ちゃんとした記載をすると Voice over LTE といいます。
正式名称を見てお分かりいただけたかもしれませんが、「VoLTE」とは、音声通話をLTEを利用しデータ通信にして高音質通話を実現したものになります。
従来では音声通話を3G回線、データ通信は4G(LTE)回線とそれぞれ切り分けていたのですが、「VoLTE」は音声通話もデータ通信もすべて4G(LTE)に一本化したという事なのです。
「au VoLTE」と区別される理由
VoLTE対応端末は現在主流の通信回線で、ドコモが国内初の公式サービスを展開し、ソフトバンクもメインの通信網として取扱っているもので、auだけが特別というわけではありません。
ですが、au VoLTEは少し特殊でドコモやソフトバンクのVoLTE対応端末と異なり、au VoLTE対応に対応している端末でも、ドコモやソフトバンクのVoLTEに対応している機種とは限らず、auをやめてドコモやソフトバンクにのりかえたけど、VoLTEが使えなくなったという場合も発生する場合もあります。
また、au VoLTEはau VoLTE対応のSIMカード以外では使用することができません。
逆のパターンもあります。
au VoLTEの方が特殊なので、ドコモやソフトバンクのVoLTEに対応していた機種のSIMロックを解除してauに持ち込み契約しても、au VoLTEには対応してなく、au VoLTEが使えない機種だったというケースもあります。
(SIMフリーの端末を購入しても、ドコモやソフトバンクのVoLTEは使えても、au VoLTEは使えない機種だったという場合もあります。)
これが「au VoLTE」対応端末だけ、他社のVoLTE対応端末とは別物として扱われる理由です。
ちなみに、iPhone(iPhone4などの古い機種は除く)はVoLTEにも、au VoLTEにも対応した機種なのでSIMロックを解除すれば単なるSIMフリーのiPhone端末となりますので、特に気にすることなく新しいSIMカードに差し替えして利用する事ができます。
「au VoLTE」対応している端末かどうかはau公式サイトから確認することができます。
au公式:VoLTE対応iPhone
au公式:VoLTE対応Android
SIMロック解除(端末持ち込みでの乗り換えや回線契約を含む)を検討している場合は、このようなトラブルに遭わないためにも、事前にキャリアやメーカーサイトなどで持っているスマートフォンが「VoLTE」や「au VoLTE」対応端末か、周波数帯が利用する携帯会社の周波数帯を利用できる端末かどうかを調べておく事をお勧めします。
【au版】SIMロック解除ができる条件
さて、ここではauで購入したスマホをSIMロック解除できる条件について解説していきます。
実は、auで購入したスマホなら何でもすぐにSIMロック解除できる訳ではないのです。
また、auのSIMロック解除の条件は時々変更されていて、最近の変更は2019年10月1日に行われています。
現在のはSIMロック解除の条件をご紹介したいと思います。
以下に、auの公式サイトで掲載されている条件をまとめます。
- 2015年4月23日以降に発売された端末で、SIMロック解除対応の機種であること
- 端末の購入から100日が経過していること
※一部条件を満たしている場合には100日以内でも即日解除の手続きができます。 - ネットワーク利用制限などが掛かっていないこと
基本的にはこの通りです。1~3については補足事項がありますので、それぞれ確認しておきます。
1. 2015年4月23日以降に発売された端末で、SIMロック解除対応の機種であること
auでは2015年4月23日以前に発売された端末はSIMロックを解除できません。
また、それ以降に発売された機種であっても、auの公式サイトで公開されている「SIMロック解除対応の機種」に該当するものだけがSIMロック解除可能です。
URLを掲載しますので、自分の機種がリストにあるか確認しておきましょう。
au公式:SIMロック解除が可能なau携帯電話などの実装周波数帯一覧
2. 端末の購入から100日が経過していること
こちらの規定は、端末を分割払いで購入した場合です。
そのため、例外規定として以下の3つのいずれかに該当する場合には100日以内でもSIMロックを即日解除できます。(最初の2つはau利用者が該当し、最後の1つはau回線を利用していない人向けの条件です)
A:一括払いで購入した場合
ただし、「au購入サポート」などの割引キャンペーンを利用して購入した端末は100日が経過するまでSIMロックを解除できません。
これは、キャンペーンを利用して割安で端末を購入し、SIMロック解除後にauを解約して他社に乗り換えるのを防ぐために取られている施策です。
B:対象回線におけるSIMロック解除実績があり、前回のSIMロック解除受付日から101日目以降の場合
※SIMロック解除実績は、2017年7月11日以降に受付したSIMロック解除がカウント対象です。
C:auの回線契約を伴わない端末を購入した本人がauショップに来店し、購入した端末の割賦代金2ヵ月分の金額を預り金として支払った場合
これは、2019年10月1日からauで始まった端末購入サポートプログラムの「アップグレードプログラムDX」が関係しています。
この割引はau以外の携帯会社を利用している人でも利用できるプログラムですが、このプログラムを利用してauで端末を購入しても、auで購入した端末にはauのSIMロックがかけられているため、ほかの携帯会社の回線を利用している人にとってはauのSIMロックがかかっている状態では、すぐに購入した端末を利用できない問題点がありました。
auでは2019年10月1日に100日以内のSIMロックを解除できる例外条件にこの条件を加え、端末代の48回割賦の代金のうち2か月分を収めることで、即日SIMロック解除をすることができるようになりました。
ただ、au回線契約がない影響か、オンライン上(My au)での手続きができないため、auショップでのみSIMロック解除手続きができます。auショップでのSIMロック解除手続きには3,000円の手数料が必要になります。
↓アップグレードプログラムDXについて詳細は
au公式:アップグレードプログラムDX
3. ネットワーク利用制限などが掛かっていないこと
端末代金の分割払いが滞ったり、契約情報の虚偽が発覚したりすると端末にネットワーク利用制限が掛けられます。
これは、窃盗などの犯罪行為で不正に入手された端末が出回らないように取られている施策です。
通常の方法で利用している端末ではまず心配する必要はありません。
中古品や譲渡された端末など本人ではない使用者の端末のSIMロック解除は、au店頭でのみ受付が可能(My auではできない)で、1日2台までの条件があります。
【au版】SIMロック解除手続き方法
最後に、auのスマホのSIMロック解除するまでの手続きを解説します。
auではパソコンやスマホから手続きを行う方法と、auショップに行って手続きをしてもらう方法があります。
1.パソコンやスマホでSIMロック解除する方法(手数料無料)
現在、auと契約中の方でしたら自宅でパソコンやスマホからSIMロック解除の手続きを行うことができます。
- auの公式サイトから【SIMロック解除の手続き】のリンクへ飛ぶと、「My au」(auのマイページ)へのログインを求められます。
- IDとパスワードを入力し、「契約照会 手続き」→「各種手続案内」→「SIMロック解除」へと進みましょう。
- 端末がSIMロック解除可能かどうかが判定されますので、ここをパスしたら4桁の暗証番号の入力、解除の理由を選択、と画面の表示に従います。
- 最後に「SIMロック解除の手続きを完了しました。」と出れば手元の端末は既にSIMロック解除された状態になっています。
パソコンとスマホで少し手順が前後することがありますが、基本的には画面の指示に従って行けば大丈夫です。
au公式:SIMロック解除のお手続き
2.auショップでSIMロック解除する方法(手数料3,000円)
パソコンやスマホでの操作がよく分からないという方や、既にauを解約してしまっているという方、au以外の携帯会社の利用者でアップグレードプログラムDXを利用して端末を購入した人は、auショップに行くとスタッフがSIMロック解除の手続きを進めてくれます。
- SIMロック解除したい端末
- 身分証明書
- 手数料3,000円
auショップでの申し込みには以上の3点が必要なので、忘れずに持っていきましょう。
分からないことがあればスタッフに聞くこともできますので、初めてSIMロック解除するという方はauショップでの手続きをおすすめします。
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- INEST株式会社とINESTグループ企業のLinklet株式会社が共同運営しているスマホの先生の記事執筆者。
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