VoLTEとは何か解説!よく見るVoLTEって一体何?
スマホの端末を調べていたり、プランを比較していたりする中で「VoLTE」という言葉を見かけたことがある人も多いはずです。
何度が目にしたことがある人でも「VoLTEってそもそも何なの?」と疑問に思い続けているかもしれません。
VoLTEはスマホによる音声通話をより便利かつ快適にするための重要な技術でもあり、スマホを選ぶ上でも知っておいた方がいいキーワードです。
そこで今回の記事では「VoLTE」とは何なのか基本的なことから詳しく解説していきます。
VoLTEとは
VoLTE(Voice over Long Term Evolution)とは、高速モバイル通信のLTEを使って音声通話を実現するための通信規格のことを指します。
LTE自体は高速なデータ通信をモバイル端末で実現するために生まれましたが、このLTEの技術を使ってより便利な音声通話を可能にしたのがVoLTEです。
国内ではドコモが2014年6月に実用化をスタートし、同年10月にはau、同年12月にはソフトバンクが続きました。
現在では、大手キャリアが販売する端末のほぼ全てがVoLTEに対応しているため、スマホに詳しくない方でも知らないうちにVoLTEを使っているという状況です。
VoLTE対応とVoLTE非対応の違い
次にVoLTEによる音声通話とVoLTEがなかった時代の音声通話の違いについて解説していきます。
VoLTEがなかった時代には、データ通信と音声通話を別々のネットワークを使ってやり取りを行っていました。
即時性が求められる音声通話においては、回線の速さよりも混雑などによる通信の途切れを防ぐことが重要でもあり、品質を維持するための仕組みとなっていました。
VoLTEでは、データ通信と音声通話を同様にLTEネットワーク上でやり取りを行うようになりました。
通話の品質を維持するために音声パケット用の帯域を確保するなどして、高速かつ安定した通話を実現しています。
VoLTEのメリットは何?
VoLTEのメリットとしては主に以下の5点が挙げられます。
- 安定した品質を維持できる
- 混雑や遅延によるロスが少ない
- 音声通話をしながらデータ通信ができる
- 発着信の時間が短い
- キャリア間での互換性もある
では、1つずつ詳しくみていきましょう。
安定した品質を維持できる
データ通信で用いるネットワークを介して音声通話を行うと聞いて「SkypeやLINEとはどう違うの?」と疑問に思った人もいるでしょう。
広い意味ではVoLTEとSkype・LINEは同じジャンルに属しているのですが、VoLTEはキャリアの正式な音声サービスでもあるため、通信がきちんと制御されており、安定した品質を保証することができます。
SkypeやLINEはその他のデータ通信と区別されずに扱われるため、回線の混雑などによって品質が低下することがあります。
VoLTEはデータ通信で音声通話を行う中でも、他のデータ通信とは区別して扱われるため、どのような状態で利用しても快適に使えます。
ロスや遅延が少なく高音質を実現
VoLTEによる音声通話は対応する音域が拡大されたことによって、音声をよりクリアに聞き取ることができます。
スマホでも高画質のテレビ通話を利用できるようにもなっていますし、データ通信でやり取りを行いながらも他のデータ通信とは区別しているため、回線の混雑といった影響も受けにくいです。
通話中にロスや遅延が生じたり、通信が途切れたりすることも少ないため、ストレスを感じることなく通話が利用できます。
音声通話をしながらデータ通信ができる
VoLTEを利用することで通話中にもインターネットに接続して利用することができます。
例えば、友達と電話で話しながらカレンダーを開いて予定を確認するといったこともできますし、インターネットでお店などの情報を調べることも可能です。
当たり前のように使っている機能かもしれませんが、VoLTE以前は通話中でも低速な3G回線にしか接続できなかったため実用が難しい状況でした。
ちょっとした事のように感じるかもしれませんが、通話中にインターネットに接続できることで、さまざまな使い方ができるようになって便利です。
発着信の時間が短い
スマホから発信してから呼び出しが鳴るまでの間が短くなり、待ち時間を短縮することができるようになりました。
以前までは発信した段階で通信をLTEから3Gに変更する必要があり、切り替えによって発生するタイムラグによって呼び出し時間が6〜8秒程度かかっていました。
VoLTEが導入されてからは3Gに切り替える必要がなくなったため、切り替えによるタイムロスもなくスムーズに発信できます。
キャリア間での互換性もある
VoLTEはLTEを使用して音声通話を行うための標準規格なのですが、以前までは同一キャリア同士の通話でしか利用できませんでした。
つまり、ソフトバンクで提供されているVoLTEはソフトバンク同士で利用できないといった具合で、VoLTEの利用については制限が加えられており今ほどの利便性はありませんでした。
そんな中、キャリア間の互換性に対応するためドコモやソフトバンクは早急にキャリア間のVoLTE使用に対応しています。
ただ、長い間auだけはキャリア間の相互接続に対応しておらず、auのスマホでau以外のスマホに電話をかけるとVoLTEが使えないという状況も続いていました。
2023年1月時点では、すべてのキャリアがVoLTEの相互接続に対応しているため、通話相手を気にする必要もなくなっており、どこのスマホに電話をかけても快適な通話が利用できます。
VoLTEに関する注意点を解説
VoLTEを利用するときの注意点について解説していきます。
主な注意点は以下の3つです。
- VoLTE非対応の機種だと利用できない
- au回線系の格安SIMを使う時は要注意
- 4G LTEのエリア内でなければ使えない
では、それぞれのポイントを詳しくみていきましょう。
VoLTE非対応の機種だと利用できない
VoLTEを利用するためには「VoLTE対応」の端末を利用しなければなりません。
発信側・着信側の両方がVoLTEに対応していないと、VoLTEではなく3Gを介した通話になってしまうため、遅延や通信の途切れが生じる可能性があります。
お使いのスマホがVoLTEに対応しているかどうかは、端末のスペック表や仕様表を確認することで調べられます。
au回線系の格安SIMを使う時は要注意
UQモバイルに代表されるau回線系の格安SIMでは、さまざまなタイプのSIMカードに対応できるマルチSIMが用意されているのですが、このマルチSIMはVoLTE対応のSIMしか用意されていません。
そのため、VoLTE非対応の機種で加入してマルチSIMを挿しても使えないので注意してください。
4G LTEのエリア内でなければ使えない
VoLTEは4G回線を使用したLTEの通信が可能なエリアの中でしか利用できません。
4G LTEの人口カバー率は99%と人が住んでいるエリアのほぼ全てをカバーしていますが、山間部などでは利用できないケースが多いので注意してください。
まとめ
聞いたことはあるけど意外に知られていない「VoLTE」について解説しました。
音声通話を行う上でなくてはならない技術であることが分かったかと思います。
普段から何気なく使っているサービスではありますが、それだけ私たちの生活に根付いて必要不可欠な存在になっているということでもありますね。
「VoLTEって何?」と疑問に思っていた方は今回の記事を参考にして理解を深めてみてください。
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- INEST株式会社とINESTグループ企業のLinklet株式会社が共同運営しているスマホの先生の記事執筆者。
スマホや携帯電話のプラン・料金・キャンペーンなどを詳しく解説しています。