技適マークはさまざまな機器に必須のマーク。必要な理由とチェックする方法を解説
新しくスマホやケータイ機種を購入する際、SIMロックのかかった機種ではなく、SIMフリーの機種を購入することを検討している人もいるかと思います。特に海外製のSIMフリー端末はiPhoneや国内メーカーの機種より安くて性能の良い機種もあるため、購入を考えている人もいると思います。
ただ、新しく機種を購入する際、その機種が技適マークを取っている機種でないと日本国内では利用してはいけないことをご存じでしょうか?
みなさまのなかには、「技適マーク」という言葉を初めて聞いた方も多いのではないでしょうか。技適マークの対象となる機器は、増加しています。Wi-FiやIoTの普及に伴い、無線通信の重要性が増しているためです。
それでは、技適マークはどのようにして確認すればよいのでしょうか。また技適マークがない機器を使うと、どうなるのでしょうか。本記事ではこの点も含めて、詳しく解説していきます。
技適マークは無線を使う機器に必須のマーク
技適マークは電波法で定められた技術認証に適合することを証明するマークで、総務省が管轄しています。Wi-FiやBluetoothなど、無線を用いた機器(無線機)を使う際に必要となるマークです。
技適マークは、1995年(平成7年)4月以降とそれ以前でデザインが変わっていますが、旧デザインのものも有効です。デザインの詳細は、総務省・電波利用ホームページ「技適マーク、無線機の購入・使用に関すること」をご参照ください。
対象となる機器は数多いことに注意
技適マークが必要となる機器は、数多くあります。
以下の機器は無線の活用が前提となるため、技適マークがないと使えません。
- 無線LAN機器・モバイルWi-Fi
- スマートフォン・携帯電話
- タブレット端末
- トランシーバー
- コードレス電話機
- スマートスピーカー
スマホやケータイだけではなく、無線で通信する機器全般で技適マークの取得が必要です。
また以下に挙げる機器も、無線を使う機能がある場合は技適マークが必要です。
- パソコン
- マウス
- キーボード
- イヤフォン・ヘッドフォン
- 白物家電(ロボット掃除機など)
主にBluetoothやWi-Fiを使うタイプのものは必要になってきます。
白物家電でIoT搭載といったものは技適マークが必要になってきます。
「上記に挙げた機器をいくつも使っている」という方も、多いのではないでしょうか。
日本で無線機を使う場合は技適が必須
無線を使う機器に関する基準は、アメリカのFCCロゴやEUのCEマークなど、国や地域によってさまざまです。しかし日本で無線機を使う場合は、技適マークがなければなりません。これは世界の多くの国で認証を受けている機器であっても同様です。
なぜなら許可されていない無線機を使うことで、以下の不都合が生じるおそれがあるためです。
- 他の人が通信しにくくなる
- 多くの方が必要とする通信を妨害し、社会に混乱を与える
日本で起こる問題を防止するためには、日本のルールに従ってもらう必要があるというわけです。
但し外国人が一時的に持ち込む機器の場合など、いくつかの例外があります。詳細は総務省「海外から持ち込まれる携帯電話端末・BWA端末、Wi-Fi端末等の利用」ページをご参照ください。
海外からの直接購入や白ロムの場合は要チェック
以下の店舗や方法で購入する場合は、技適マークがついているか事前の確認が必須です。
- 海外から直接購入する
- さまざまな店舗が出店する通販サイトで購入する
- フリマアプリやオークションサイトで購入する
- リユースショップ(中古品販売店)等で白ロムを購入する
スマホ機種の事例を挙げると、Amazonなどでは中国からの出店者が多く、販売しているスマホ機種で技適マークのない機種も販売されているため、特に国内のキャリアが取り扱っていないような機種(特に海外メーカーのSIMフリー機種)を購入しようとした場合には、注意が必要です。
※国内のキャリアが取り扱っていない機種でも、技適マークを取得している機種も一部あります。
一方で以下の店舗および直営の通販サイトで購入する場合は、技適マーク付きの商品が販売されているため安心です。
- 国内メーカーの直販サイト
- 海外メーカーが日本国内向けに作った直販サイト
- 国内キャリア、MVNO事業者、メーカーの系列ショップ
- 家電量販店
- 大手スーパーなどのチェーンストア
- 国内携帯キャリアの公式サイトや携帯ショップ
安心して使いたい方は、上に挙げた販売店で購入するとよいでしょう。新品が手に入ることも、メリットに挙げられます。
技適マークがない無線機を使うと違法
もし技適マークが無い無線機を使うと電波法に違反することとなり、懲役刑や罰金刑となるおそれがあります。また技適マークのない電話機を店舗に持ち込んだ場合も、同様の理由により契約してもらえないため注意しましょう。
技適マークの有無をチェックする方法
技適マークの有無を確認する方法は、いくつかあります。ここからは主な3つの方法を解説していきます。
現物があれば直接確認できる
技適マークは、製品や付属の物品があれば直接確認できます。確認方法は製品の種類により、4つのケースに分かれます。
本体や取扱説明書に表示されている場合が多い
多くの機器は、以下の場所に技適マークが記載されています。
- 製品本体
- 取扱説明書
製品をチェックする場合は、裏面もしっかり確認しましょう。
スマートフォンや携帯電話、モバイルWi-Fiの場合
スマートフォンや携帯電話、モバイルWi-Fiの場合は、バッテリーを外した場所に印刷されているケースも多いです。バッテリー交換の際に、確認してみてはいかがでしょうか。
iPhoneなど、電源をONにして確認する機器もある
スマートフォンのなかには、技適マークを電磁的な方法により表示する場合があります。
たとえばiPhoneの場合は電源ONの状態にしたのち、「設定」-「一般」-「情報」-「法律に基づく情報」-「認証」を選択してください。各国のマークが表示されるなかに、日本の技適マークも含まれています。
ノートパソコンの場合
ノートパソコンの場合は、無線LAN(Wi-Fi)パーツに技適マークが記載されている場合が多いです。このような機種の場合、技適マークの確認にはきょう体を開ける必要がありますが、一般の方にはおすすめできません。購入したメーカーに問い合わせることをおすすめします。
「技術基準適合証明番号」や「工事設計認証番号」でチェックする
購入前の場合、現物を見て確認することができません。この場合は「技術基準適合証明番号」や「工事設計認証番号」があれば、技適マークの有無をチェックできます。
総務省の「技術基準適合証明等を受けた機器の検索」ページを開き、番号を入力して送信ボタンを押してください。該当する機器がある場合は、検索結果欄に表示されます。番号を押すことで、詳細をチェックすることも可能です。
型式やモデル番号で調べる
もし現物が手元になく、「技術基準適合証明番号」や「工事設計認証番号」がわからない場合でも、手段が尽きたわけではありません。型式やモデル番号がわかれば、技適マークの有無をチェックできる場合があります。
総務省の「技術基準適合証明等を受けた機器の検索」ページを開き、「型式又は名称」欄に入力して送信ボタンを押してください。該当する機器がある場合は、検索結果欄に表示されます。複数表示された場合は、適切なものを選んでください。
技適マークがあれば問題なく使えるとは限らない
無線機能を使う機器にとって、技適マークは円滑に使う観点でも欠かせません。一方で、技適マークがあれば問題なく使えるとは限らないことに注意してください。機器をスムーズに使うためには、以下の点も考慮する必要があるためです。
- スマートフォンや携帯電話の場合は、契約先の会社が動作を保証している機器か
- Bluetoothを使う機器の場合は、機器どうしの規格が合っているか
「機器どうしをつなぐための条件はなにか?」という点を事前に調査したうえで、機器を購入するとよいでしょう。わからない場合は、店舗で相談することもよい方法のひとつです。
技適マークが無効に?注意すべき2つのポイント
せっかく技適マークがある機器を用意しても、扱い方を誤ると無効となることに注意しなければなりません。主な2つのポイントを取り上げ、どのような点に注意を払うべきか確認していきましょう。
知識があっても改造は厳禁
あなたがどれだけ機器に詳しくても、技適マークがついた機器の改造はやめましょう。なぜなら改造をした時点で、技適マークが無効となるためです。この基準は、機器に関する知識の有無にかかわらず適用されます。もし改造した機器を使った場合は、電波法違反になることにも注意してください。
「業者に依頼するより、自分で改造したほうが確実に修理できる」スキルをお持ちの場合でも、ご自身で改造してはいけません。このような方にとって、お金を払って修理を依頼することは不条理に感じることでしょう。しかし法令には従わなければなりません。
修理は正規の業者に依頼する
修理を受け付ける業者は、さまざまです。依頼する場合はメーカーや購入した店舗など、正規のルートを活用しましょう。修理が終わった後も、これまでと変わらず技適マークの効力が保たれます。
一方で緊急の修理が必要、メーカーで対応してもらえないなど、正規の業者以外に依頼する場合もあるでしょう。この場合は修理後に技適マークの効力が保たれるか、事前に確認することをおすすめします。
購入の際に不安を感じた場合は、技適マークのチェックをおすすめ
携帯キャリアや家電量販店など、一般的な方法で機器を調達する場合は技適マークを意識する必要がありません。店頭に並べる前に、またWebショップに掲載する前に、技適マークがあるかしっかりチェックされているため安心です。 一方でネット通販の利用や個人からの購入、中古品を購入する場合は、技適マークの有無を必ずチェックしましょう。もし技適マークがない商品を入手してしまうと、購入代金が無駄になってしまいます。情報が得られない場合は、購入を控えることが賢明です。
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- INEST株式会社とINESTグループ企業のLinklet株式会社が共同運営しているスマホの先生の運用チームです。スマホやスマホプランやキャンペーンなどについて記事を執筆しています。