【格安SIMとは】格安SIM徹底解説~格安の理由からSIMのことまで
「格安SIMってよく聞くけど、普通のスマホと違うの?」
このように思っている人は意外と多いのではないでしょうか?「格安SIM」のことをあまり理解せず、料金が安いというだけで契約して、「こんなはずじゃなかった」ということにならないためにも、「格安SIMとはどのようなものなのか」きちんと理解しておきましょう。
今回は、知っているようで知らない「格安SIM」のことについて、SIMとはなんなのか、なぜ格安なのかなどアレコレ徹底解説していくので、ご参考になさってください。
SIMとは
そもそも、SIMとはどのようなものなのでしょうか?
ここでは、「SIM」について、SIMの定義や役割、種類などを詳しく解説していきましょう。
SIMってなに?
「SIM(シム)」とは、「Subscriber Identity Module(加入者識別モジュール)」の略で、携帯電話の加入者を識別するためのID番号が記録されたICカードである「SIMカード」のことです。
SIMカードは、契約しているキャリア(携帯電話会社)から発行され、電話番号や加入者情報などのスマホやタブレットなどの通信デバイスを使用するために必要な情報が記載されています。
SIMは何するもの?
SIMカードは何するものかというと、スマホやタブレットなどの通信デバイスを使用するためのものです。SIMカードを、スマホやタブレットなどの通信デバイスに挿入することで通信や通話ができるので、SIMカードが挿入されていないとスマホやタブレットなど本体が正常に機能していても、通話や通信ができません。
SIMカードをスマホやタブレットなどの通信デバイスに抜き差しして電話番号を他のスマホやタブレットなどの通信デバイスに移行したり、ひとつのスマホやタブレットなどの通信デバイスで複数の電話番号を切り替えて(デュアルSIM運用)使用したりできます。
通常、スマホやタブレットなどの通信デバイスを新規に購入した場合、通信デバイスへのSIMカードの挿入は、キャリアの社員が行ってくれるので、契約者個人がSIMカードの抜き差しをすることはありません。たとえば、現在、使用しているスマホやタブレットなどの通信デバイスのSIMカードを抜いて、新しく購入したスマホやタブレットなどの通信デバイスに挿入すると、現在使用しているスマホやタブレットなどの通信デバイスは使えなくなり、新しく購入した通信デバイスが使えるようになる仕組みです。電話番号の情報などが通信デバイス本体ではなく、SIMカードに記録されているためとなります。
SIMカードの種類
SIMカードには時代とともに、部品の小型化などが影響して、大きさの異なるいくつかの種類(規格)があります。2022年現在、以下の4つの規格があります(下段にいくほど小型化)。
- フルサイズのSIM(1991年登場):初期(1FF)
- ミニSIM(1996年登場、25mm×15mm):二代目(2FF)、標準SIMと呼ばれている
- マイクロSIM(2003年登場、15mm×12mm):三代目(3FF)
- ナノSIM(2012年登場、12.3mm×8.8mm):四代目(4FF)、ほとんどのメーカーでナノSIMが使用される=現在の主流
現在、iPhoneはナノSIM、Android端末はマイクロSIMまたはナノSIMが使用されています。
なお、この他に部品のさらなる小型化により「eSIM」という物理的にカードの抜き差しを行わない規格も登場しており、情報を遠隔でダウンロードできる規格である点が注目ポイントです。
「eSIM」は、物理的なカードの受け渡しが不要となるため、携帯電話回線の利用開始を迅速に行えるというメリットがあります。さらに、もう1つのメリットは、カードの抜き差しをしなくてよいのでカードスロットを設ける必要性がなく、スマホをはじめとした通信デバイスのさらなる小型化、斬新なデザインを追求できるという点です。
SIMカードには、機能によって3つの種類があります。
- 音声通話SIM:音声通話、データ通信、SMSすべての機能が利用可能
- データSIM:インターネット通信のみ利用可能
- SMS(ショートメール)SIM:SMS用、通話が不要でデータ通信とSMS認証だけが必要な場合には「データ+SMS」を利用
格安SIMとは
「SIM(シム)」のことをご理解いただけたら、次はいよいよ本題へ。「格安SIMってなに?」について詳しく解説していきましょう。
格安SIMってなに?
「格安SIM」とは、大手キャリアが提供している格安料金でサービス提供しているSIMのことです。「格安SIM」は、「格安スマホ」とも呼ばれています。ちなみに、格安SIMを提供している会社の多くは、「MVNO」(Mobile Virtual Network Operator=仮想移動体通信事業者)と呼ばれ、自社で通信設備を持っていません。これに対して、自社で通信設備を持っている通信事業者を「MNO」(Mobile Network Operator=移動体通信事業者)と呼び、2022年現在では、国内でドコモ、au、ソフトバンク、楽天モバイルの4社が「MNO」に該当します。楽天モバイルは、2020年4月までは、MVNOでしたが、それ以降第4のキャリア「MNO」としてサービスをはじめました。
UQモバイル、ワイモバイルなど、最近よくみかける「月額料金が格安」をウリにしている事業者は、「MVNO」です。
なんで格安料金でサービス提供できるの?
「MVNO」が格安の料金でサービスを提供できる理由は、ズバリ「自社で無線通信インフラを持っていないから」です。無線通信インフラとは、スマホなどの通信デバイスに電話を送るための基盤(設備)のこと。「MVNO」は、設備を持たずにモバイル通信(インターネット接続)サービスを提供できるから格安な料金で提供できるといシステムになっています。ちなみに、無線通信インフラをMNOから借りてサービス提供しているカタチです。
では、なぜ設備を持たずにサービス提供できるのでしょうか?それには、モバイル通信サービスの沿革をお話ししなければなりません。かつて、モバイル通信サービスを行うには、自社で無線通信インフラを持ち、電気通信事業法や電波法などの法律に従い、総務から電波利用免許を受けた移動体通信事業者(携帯電話キャリア)である必要がありました。当然、事業を行うために膨大な費用をかけて無線通信インフラ整備を行わなければならず、事業のための設備投資資金が携帯電話料金などに反映され、各キャリアともサービス内容や利用料金が画一的なものになりがちでした。
この時点で、ユーザー側からしてみれば、選択肢が少なく、利用料金に関しても、事業者の設定したままの高額な料金をイヤイヤ納得して利用しなければなりませんでした。しかし、この状況を打開したのが「MVNO」だったのです。政府や監督官庁の規制緩和により、業界の競争が進み、登場したのが「MVNO」です。
おかげで、さまざまな事業者や企業が、通信設備を大手キャリアから借り受けるシステムをとれるため、各社独自の料金プランを打ち出し、ユーザーも多くの選択肢から自身の使用スタイルに合った料金プランを選択できるようになったのです。
「MVNO」が格安の料金形態でサービス提供できる理由のうち、大手キャリアから通信設備を借りていて自社で設備投資をしていないからということが大きいのですが、その他にも、実店舗を減少させる、あるいは持っていない点や、スマホ端末の開発をしないなどの点も挙げられます。
格安SIMにはどんな会社があるの?
「格安SIM(格安スマホ)」とは、安価な利用料金でスマホを使用できる事業者の俗称であり、自社の通信設備で事業をしている・していないで「MNO」と「MVNO」に分類されるということはおわかり頂けたかと思います。ここで、わかりづらい点が2点ほどあるので解説します。1点目は「サブブランド・オンライン専用格安プラン」、2点目は「楽天モバイル」です。
サブブランドとは、大手キャリアが自社の通信設備を使用させるサブブランドとして、格安料金でサービス提供する別会社を運営しているスタイルです。サブブランドの事例は、以下のとおりです。
- ソフトバンクのサブブランド→ワイモバイル
- auのサブブランド→UQモバイル
オンライン専用格安プランとは、大手キャリアが自社の回線を使用して、オンライン専用の手続きによる格安プランとしてサービス提供しているスタイルです。オンライン専用格安プランの事例は以下のとおりです。
サブブランド・オンライン専用格安プランは、大手キャリアが自社回線を利用してサービス提供していることから、純粋なMVNOとはカテゴライズできないかもしれませんが、格安SIMには該当しますので注意しましょう。
また、楽天モバイルに関しては、現状MNOのキャリアの位置づけですが、まだMNOに移行してからの歴史が浅く、国内のすべての地域を自社回線でカバーすることはできていないため、2022年8月時点では、一部地域ではパートナー回線として、auの回線を借りてサービス提供(現在は新規申込受付を終了しているMVNO時代の提供サービスはドコモの回線)していることから、注意が必要です。そういった意味では、格安SIMに含めて考えても間違いではありません。
格安SIMの事業者や企業には、大手キャリアのグループ会社系格安SIM、独立系MVNO、商業系MVNOなどがあります。簡単な事例は以下のとおりです。
- ドコモのグループ会社系:OCNモバイルONE
- auのグループ会社系:J:COMモバイル、BIGLOBEモバイル
- 独立系MVNO:mineo、IIJmioなど
- 商業系MVNO:LIBMO、イオンモバイル、HISモバイル、nuroモバイル、y.uモバイル、exciteモバイル、BICモバイルONE、BICSIM、日本通信SIMなど
まとめ
ここまで、「SIM」について、「SIM」「格安SIM」など詳しくご紹介させていただきました。
今回、ご紹介した事項以外にも、SIMに関しては、「スマホでセット購入」「SIMのみ契約」「SIMフリー」「SIMロック解除」など気をつけなればならない点、押さえておきたいポイントなどがあります。
重要なのは、SIM、格安SIMに関して基本的な理解をしておくことです。
自身に適した利用形態で、スマホやタブレットといった通信デバイスを使用するためにも、今回の記事をご参考になさってください。
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- INEST株式会社とINESTグループ企業のLinklet株式会社が共同運営しているスマホの先生の運用チームです。スマホやスマホプランやキャンペーンなどについて記事を執筆しています。